「たった4冊だけ。」
というのはこの本に載っている100冊のうち今まで僕が読んだ本の数だ。
そういう訳で今年は本もたくさん読みたい。
僕も昨年は100冊以上は読んだはずだが、世界はまだまだ広いという当たり前のことを理解出来る。
視野を広くするには自分の思考の幅を広げる必要がある。自分の今理解出来ている範囲では足りないのだ。
しかし現時点で読みたい本も既にたくさんあるという時間との戦いというかジレンマが襲う。
それでも新たなことへの知的探究心をやめられないのは単に楽しいからである。
僕が本を選ぶネタ元はTwitterなどのSNSや成毛さんが主催してる本の紹介サイトHONZのメルマガや株式会社ゲンロンのゲンロンサマリーズも購読しているし、成毛さんの前著『ノンフィクションはこれを読め! - HONZが選んだ150冊 [単行本]』も所有している。
そんな訳で僕の数倍は読んでるであろう成毛眞さんの新書を読んでみた。
Amazonの紹介より
面白いにもホドがある! 書評サイトHONZの代表が太鼓判を押す、選りすぐりの面白本100冊。ハードな科学書から、シュールな脱力本まで。いずれ劣らぬ粒ぞろい。一冊でも読んだら最後、全冊読まずにいられなくなる。本代がかかって仕方がない、メイワク千万な究極ブックガイド。
この本は上記で書いた今の僕の気持ちとシンクロするような書き出しで始まる。
水滸伝から百科事典を読んでいき「自分が何を知らないのか」が分かることがとにかく面白かった子供時代。
百科事典は自分が知りたいことも知りたくないことも並列して載っていてそれを読むのが意味もなく楽しかった。
そんな子供が大人になるにつれノンフィクションに興味を移していく。
こんな始まりなのだがこの本とにかく目次から面白いのだ。
目次も面白いというのは良書の法則かもしれない。
1.ピンポイント歴史学
5.嘘のノンフィクション
7.金と仕事とものづくり
- 真面目にオーパーツ
- 現在日本民俗学
- 国家という悪魔
- 破天荒過ぎて学べない
- 脱力しすぎて学べない
- 天才すぎて学べない
- 不都合なヒトと合理的な生き物
- 地球の真実
- 読ませる医学
- 数学と工学のドラマ
- トイレット•ライブラリーのススメ
- 電車の中で読んではいけない
- 子どもといっしょに読む絵本
5.嘘のノンフィクション
- ウソか?マコトか?
- ウソとマコトの実話
- 手に負えない人たち
- 突き抜けた人生
7.金と仕事とものづくり
- さまざまな仕事
- 経済というアート
- 運命に翻弄される人たち
- 命からがら
この本は箸休めまで含め非常にテンポが良い。
著者は何故この本を手に取ったのか?というのを考えるだけでも楽しい。
1章でいきなり世界のオーパーツで始まり、全く知らない世界に連れていかれる。
世界の歴史についてあまり詳しくないので『トンパ文字』なぞ全く見たことも聞いたこともないが、それらの背景を知るうちに気になってしょうがなくなる本達。
『サルたちの遺言』ではサルの信頼関係とか人間との違いは何かを考えざるを得ないし、毛沢東、ポルポト、スターリン、731部隊の本の紹介ではその事実に驚愕する。
そして各本にはキャプションが付けられているのだが『武士マニュアル』の正しい介錯教えます。『はい、泳げません』の1貢1爆笑の奇跡などでは爆笑してしまった。
しかし『なぜ人妻はそそるのか?』とか一見無駄にしか思えない本を積極的に読んでいることが著者の懐の深さを感じさせるし、僕の浅さだろうな。
まあそういう世界の広さを知ったり笑ったりいろんなことが味わえる本だと思う。
本著で紹介する本が100冊なのも著者自身が好きだった百科事典と掛けてるのかなと思ったりする。
あとがきに、
本書で紹介した本の冊数は100冊である。すべて購入すると約20万円になる。これを高いと思うか安いと思うか。その判断は読者の皆さんにおまかせしよう。とあるが、それを判断するには読むしかないのだが、日本の書籍の値段は世界と比較すると安いというという事実は押さえておきたい。
とりあえず大河内直彦氏の『チェンジングブルー』を購入した。