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【後編】Amazonの快進撃

木曜日, 1月 17, 2013
長くなったので区切った 【前編】Amazonの快進撃 の続きを書いていくことにする。
昨日の最後、
Amazonはそもそもオンライン書店で世界最大であるし、昔からCDやDVDを売ってきた実績がある。
これを踏まえるとAmazonの次の手は予想出来ていた。
〜 Amazon AutoRip 〜

その新サービスとはAmazon AutoRipと呼ばれるものである。
最近IT系サイトをにぎあわせていた以下の記事が詳しい。

amazonオートリップ(AutoRip)は、CDを介した新古市場ビジネスモデルに進化する!
AutoRipとは、CDを購入すると、無償でMP3の音楽データがもらえる。そして、その音楽データは自分のアマゾンアカウントを経由で自分の端末であればどこでも再生することができる。もちろんMP3データなので、ファイルを読みこめばアップルのiTunesでも再生できるので、基本的には、ハードウェアの制約を受けにくい。

Amazon.com、購入した音楽CDのMP3ファイルを無料提供


過去にアマゾンで購入した音楽CDも対象になるという点だ。アマゾンが現在このサービスで対象にしているCDは約5万点あり、今後順次増やしていくとしている。こうした対象CDを顧客が1998年以降に購入していれば、そのファイルが自分のライブラリーに自動で追加されるというわけだ。
今までAmazonで買い物してきた優良顧客にも優しく、ダウンロード販売は実物が手に入らないからとか、音質がCDより悪いからとか躊躇していた人も安心して購入することが出来る。

まさに全てを支配せしものである。
失礼。

勿論、ダウンロードだけで良いと思う人にもメリットがある。
それはCDを受け取らずにAmazonフルフィルメントで新古品として、そのままAmazonで売ってしまえるということだ。
これはCDというものの意味を全く変えてしまうだろう。
そしてこの波は電子書籍にも及ぶだろうというのが大方の予測である。

Amazon AutoRipは無料電子書籍の先駆けか?
音楽向けAutoRipはAmazonから直接本を購入すると顧客に電子書籍を提供する新プラグラム展開に向けての先駆けになるとあえて言いたい。Amazonは書籍を出版しており、CreateSpaceを利用するインディー著者によって執筆された書籍を追加ボーナスとして合わせて提供することもできるので、これは抵抗を最小限に抑えられる方法かもしれない。同社は基本的に紙版と電子版の配布権を有しており、競合にとどめを刺す一撃となるかもしれない。

電子書籍だって2012年が元年と呼ばれる日本にも電子書籍までAmazonがAutoRipし始めたらどうなるだろう?
ダウンロードでコンテンツを販売している会社...つまりMicrosoftやGoogle、敷いてはAppleまで含めた全ての会社よりも競争的優位に立てる可能性があるのだ。
AmazonのコンテンツはAmazon以外の端末で使用出来る為、端末に制約がない分、一度利用され出すと雪崩を打って他のサービスからの乗り換えが起こり一気にトップに躍り出るという推測が出来る。

しかもAmazonは米国だけでは以下のようなサービスも既に始めている。

Amazon、KDP Selectをローンチ

米AmazonではAmazon Primeという年79ドル(日本では3900円)有料会員があるのだが、このPrime会員、日本では当日お急ぎ便とかぐらいしかサービスがないのだけど、米ではHuluのような無料動画のストリーミングサービスや1ヶ月1冊までで返却期間のない電子書籍のレンタルサービスを行なっている。
しかも、
一定期間、著書をAmazonのみで販売することやKindle Owners’ Lending Libraryでの著書貸し出し――に応じることができるインディー作家と出版社は、電子書籍が貸し出されるたびに合計600万ドルの基金から配分を受けることができる。
つまり無料でレンタルされた実績が著者に還元される仕組むになっているのだ。
将来的に図書館の概念も再定義されてしまうだろう。

最後に、Amazonはサービスを通してあらゆる既成概念を覆すことをしようとしている。
ライバル企業達にない強みは、実物商品をITを駆使したロジスティクスを通じて消費者に販売してきたという経験と実績だろう。
それをデジタルコンテンツ配信と組み合わせるパッケージングの上手さ。
これは並の会社では太刀打ち出来ないと思う。
2013年は、この事実を踏まえた上でその他の世界の企業の動向にも注目したいと思う。


ワンクリック―ジェフ・ベゾス率いるAmazonの隆盛ワンクリック―ジェフ・ベゾス率いるAmazonの隆盛
(2012/10/18)
リチャード・ブラント

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