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失敗、希望、調和 - 書評 - イーロン・マスクの野望 未来を変える天才経営者

土曜日, 1月 04, 2014
2014年の書評一発目は希望から始めたいと思う。これはまさにぴったりの1冊である。

イーロン・マスクの野望 未来を変える天才経営者
  • 作者:竹内一正
  • 出版社:朝日新聞出版
  • 発売日: 2013-12-06

本書の主人公はぼくが注目している起業家、経営者の筆頭株イーロン・マスクである。
アメリカの起業家にはAmazonのジェフベゾス、TwitterやSquareのジャックドーシーなどがいるがイーロン・マスクほど振れ幅が振り切れている人は限られている。ジェフベゾスもロケット事業をやっている点で似てはいるけどロケット事業は未だ軌道に乗っていない。

さて本書は、イーロン・マスクの生い立ちから始まる。
南アフリカ共和国で生まれ育ち、カナダに移住した後にトロントで大学に行き更にアメリカの大学に転入した後にX.COMを立ち上げ、Paypalと合併して一悶着ありクビにされたりと一部でスティーブ・ジョブズを彷彿とさせるエピソードもあり、グイグイ引き込まれていく。
ロケット製造会社スペースXを立ち上げ、去年時価総額がマツダを抜いた電気自動車のテスラモーターズだが、立ち上げからつい何年か前まで失敗の連続であった。その失敗を意に介さず最終的には克服していくストーリーを読んでいると「よくここまでこれたもんだ。」と驚くばかり。

「今までにないものを作るためには物理の知識が必要不可欠」と語られるが、火星に移住する手段としてロケット開発を始めた経緯も「大陸を移動してきた人類が他の惑星に移住するのもまた自然なこと」だとさらっと語るビジョンも素晴らしく、「自分の全財産を掛けてもテスラは潰さない」と販売延期を続けて資金繰りが悪化して融資の打ち切り寸前の所をくぐり抜けたギャンブラー的素養もあり、そういった希少な才能が同居しているイーロン・マスクを初めて知ることができる。
またそれらの事業でやっている内容や技術に関しても割と詳細に書かれているので、テクノロジー好きにもとっつきやすい内容。
ぼくは唯一、彼が言うソーラー事業に関してだけ説得されるに至ってないが、本書を読むと「彼ならやるかもな」..と思わせるだけのパワーが伝わってくる。日本でも割と似たような経緯を持つホリエモンこと堀江貴文がいるけど、イーロン・マスクと比較するとロケット事業では何周も差をつけられている感じ。

気にはなるけど本を読むまでもないという人はYoutubeに上がっているイーロンマスク出演のTEDxWikipediaでも大体内容を知ることが出来るのでそちらをチェックしてみてほしい。

★★★★☆

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