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MicrosoftのSurface発表に思う3つの疑問

火曜日, 6月 19, 2012
あの巨大なSurfaceがこのような形に化けて出てくるとは。

米MS、独自開発のタブレット端末「Surface」を発表 Windows 8 ProまたはWindows RTが動く2種類の製品を投入

最近の動向から予想されていたが、Microsoftの自前タブレットSurfaceが発表された。
そうかやはりタブレットか。
注目は着脱式の風呂のフタがキーボードになる所である。
そして右の画像を見ただけで湧いた疑問と所感を残しておこう。



ソフトウェアとハードウェアの一体化


まず始めにWindowsの最大の目玉はWOA改めWindowsRTである。
WindowsRTはWindows8ではない。これが以外にポイント。
PCなどの物理的制約があまりないものと比べ、スマートフォンやタブレットではCPUも非力でメモリーも少なく制約が多い。
その上で最高のユーザーエクスペリエンスを提供する為には、自前するしかない。
今日読んだ、中島聡氏のメルマガから重要な部分を引用。

ハードウェアからサービスまでの一貫したユーザー体験の提供。メーカーに対して OS をライセンスするだけでは、ハードウェアはもちろん、それに搭載されているソフトウェアや提供されるサービスすらコントロールできません。XBox のように、すべてをマイクロソフトが責任を持って提供する、という状態を作るべきです。
そうその通り。しかしそれは分かっていた。
だからこそ。


Microsoftの目的とは

なおさら3つの疑問を上げる。
  1. スマホの発表がないみたいだが?
  2. 誰に売るの?
  3. 誰が(他社の)買うの?
スマホに関しては普及ペースで行っても確実に押さえておくべきで、エコシステムの実現には欠かせないから、自前でPure (Plane) Microsoftを作る必要がある。
そもそもMetroUIはスマートフォン〜PCまでカバーするデザイン思想。
その全端末統合というのはAppleも目指している所だが成功すれば先駆者とも言える。
しかしMacOSとiOSは未だに統合する気配すらない。
裏を返せば、それだけサイズやアスペクト比、利用するシチュエーションが違う端末のUIを統合することは難儀なのである。

小飼弾氏に言わせれば、
Metro UIは「ユニバーサルUI」の実装としては、現状で最高だと思う。小は(今は亡き)Zune HDから大はSurfaceまで同じUIで行くのであれば、あれしか私にも思いつかない。
であるがそれは決してベストではなくベターという意味で、である。
それは何故か。
誰に売るというものが見えてこないからだ。
今回の発表された情報だけでもアーリーアダプター層は購入意欲が湧いているはず。
しかし普及の壁と言われるアーリーマジョリティまで届くとはとても思えない。
下はキャズム理論の有名な図。( http://marketingis.jp/キャズム理論 から転載)


タブレットとして今イチな理由

縦向きをポートレートモード、横向きをランドスケープモードというが、私も含めタブレットのユーザーは基本的にはポートレートモードで利用している。
下図はiOSのアプリではあるが、iPhoneとiPadでの画面の向きの利用率だ。(Itmediaから転載)


Windows エンジニアリング チームによるブログ < 横向きと縦向きの両方に向けた最適化

Microsoftも決してランドスケープモードをおざなりにするわけではないと去年の上記の記事で発表はしている。
しかし16:9という基本的にはランドスケープモードで利用を想定されているアスペクト比ではポートレートモードで持った時に横が少し狭い。
そして今回のSurfaceでも背面のスタンドや全面のボタンを含めMicrosoftは、やはりランドスケープモード押しであることは否めない。
こういったユーザーが利用してるシーンとの乖離はどう覆していくのだろう。

無料のAndroid、有料のWindows、他社には作らせないApple


そして最後に、OSを無料で配っているAndroidとは違い、有料のWindowsRTでは自前した方他のベンダーに比べコスト的に優位である。
これは小飼弾氏が早速氏のブログで言及している。
要するに、SurfaceはWindows税を免税されている。少なくとも「内税」化されている。〜中略〜 一体誰が「本物のSurface」をMicrosoftから、iPadと競合出来る価格(とMicrosoftは主張している)で買えるのに、「外税」で割高な「ニセ面」を買うというのか?
そう。まさに"誰が本物より高いニセモノ買うの?"である。
Microsoftが自社で製造すると他社がMicrosoftの製品より安く作ることは厳しい。
Googleが自社でNexusを出すのはベンチマークとして出している側面もあるが、元々無料で配っているものだから、他社と食い合わない。
事実、今現在Nexus独り勝ちの状況ではない。
そもそもAndroidのタブレットはもっさりしてるし価格も安い訳ではなくダメダメで、Windows8に関してはConsumer PrevierをPC(特にデスクトップ!)で使ってみて、かなり違和感があったのでタッチパネル、タブレット向きだと期待していたのだが。
Microsoftの場合Surfaceが圧勝すれば他は全滅する恐れがあるという諸刃の剣を抱えているのだ。
やはり過去の遺産を引きずりながらの新商品は難しいのであろうか。

そして

...と、ここまで言っては見たものの、私は多分買うだろう。でも、もしかしたらWindows8バージョンの方のSurfaceになるかもしれない。Xboxがそうなように、一応、テコ入れ含めMicrosoftが責任を持つ大型商品は長寿であることは間違いないだろうし。その安心感は自前ならではだし、仕事でもあるし(言い訳)
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