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終身雇用って誰得? - 時事 - 労働契約法改正

火曜日, 3月 05, 2013
先月のブログでは障害者の雇用について触れたが、今回は来る4月から施行される改正労働契約法について考察してみる。



この制度下では企業は契約社員を連続で5年間契約更新したら、契約社員側が雇用の続行を希望したら無期限に解雇する事が出来なくなる。
つまり、これは実質正社員化に他ならない。
しかし、現実は厳しく日本はアベノミクスで円安&株価上昇中とは言え、企業はこの程度で将来リスクとなる正社員を増やそうとはしないので、この流れだと契約社員を4年以上更新しないという結果を生むことが予測出来る。
だから今、契約社員の人は4年間で正社員になる努力をするか、今後4年間で他の就職先を探すしかない。満5年を迎える前に企業は契約更新のハードルを上げるだろう。
欧州などでは契約社員の方が正社員と同じ働きをしても解雇のリスクが高い為に収入が高い。 しかし、日本では逆で収入はほぼ同等かそれ以下で雇用調整の為に契約社員という体をとっているだけに過ぎない企業が多い。
だから一部の企業を覗き『能力のない契約社員はじきに消えていきパートやアルバイトで雇用調整し、正社員の残業の増減で仕事量を調整する。』となるだろう。
そう考えると、日本社会は正社員も含めた人材の硬直性を流動的にしないといけないのに返って固定化されていくというどつぼに嵌まっていってるような気がしてならない。
今回施行される制度は日本の正社員という身分保障の壁の前ではあまり効果がなさそうである。

しかも、『改正労働契約法 -定年延長法に盲点、契約社員に大チャンス』という記事によると、
じつは5年ルールは、再雇用の有期契約にも適用される。定年後に再雇用された有期社員が5年を超えて働けば、無期社員に返り咲くことができるのだ。しかも復活社員は65歳以上なので、60歳定年制が適用されない。復活社員は、法律上は定年がない“終身社員”として、死ぬまで雇用される権利を手に入れることになる。
とあるが、これでは年寄り優遇で本末転倒も良い所である。


〈参照〉
新旧対照表PDF(厚生労働省) / http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/keiyaku/kaisei/dl/h240810-02-shinkyuu.pdf
労働契約法改正のあらまし全体版PDF(厚生労働省)/ http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/keiyaku/kaisei/dl/pamphlet.pdf
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