0 コメント

スマートフォンのSIMロック解除義務化についてざっくり読みとく

金曜日, 7月 04, 2014
 まず結論から言うと、メリットとデメリットの両方あるってことですね。でも、ぼくはメリットの方が大きいとみています。

今回は永江一石さんの以下の記事を読んだ所感を書いてみます。

予言!!総務省のSIMフリー化強制によって日本のiPhone率は大幅に低下する(はず)

この記事の内容を要約すると、

  • 日本のスマートフォンのOS別のシェアはiPhoneが7割で世界で一番高い。その理由はキャリアがSIMロックをして補助金を出していたから。
  • SIMフリー化で端末の補助金がなくなるので端末の代金は上がる。よって、iPhoneを始め高い機種のシェアは下がる。
  • キャリアは補助金分を負担しなくて良くなるので通信料金は下がる。
ということで概ね同意です。それを踏まえ、この問題を2点追加して深めてみようと思います。
 始めにOSの囲い込みについて。これはAppleのエコシステムの力量が試される時ですね。ぼくはiPhoneを2008年から使ってきてもう6年になります。今まで買ってきた有料のアプリや月額課金のサービスも多い。それらを引き継げない以上、それ以上のパフォーマンスを発揮しないAndroidにするメリットはありません。これはサンクコストですが、ゼロベースで考えてもiPhoneにまだまだ分があると思います。しかし、今までどれだけ「有料のアプリに金を使わせていたか」がAppleにとって重要な所なのです。つまりそう簡単に乗り換えられないということ。

 次に、そもそも日本の通信キャリアは激しい競争をしているのか。という点です。各社CMを打ちまくり熾烈な競争をしているのに、なぜ一兆円も経常利益を叩き出せるのか。これは商売には当たり前の「安く仕入れて高く売る」を各社が実践しているからに過ぎません。しかも仕入先は国です。電波利権という言葉があるほど、日本では電波の帯域はタブー視されてきました。長くなるので詳しくはググって欲しいのですが、携帯キャリア主要4社の電波利用料は合計でたったの444億円なのです。(2014年現在)安く仕入れているから、競争しても利益が出るという構造。電波帯域を定期的にオークションしたりすれば国庫に入る金は増える訳ですから実はトレードオフの関係になっているということだけは押さえておきたいところです。つまり国がやるにはこちらの方を優先させるべきじゃないのということ。

 ぼくが思うに、小米(シャオミ)など安くて良い機種を作る会社のチャンスは増えるだろうし、SIMフリー化の流れは歓迎しています。日本でもMVNOが盛り上がってきて通信料金の競争が激しくなってきているのも良い流れです。単純に選択肢が増えることは喜ばしいことでしょう。
 ただ、端末自体の価格上昇は上記の記事にもあるように明白なので、使い慣れた良機種を長く使うという人達は増えるでしょう。逆に頻繁に機種を変える人が得をしていたということの裏返しです。今年の上半期に問題になりましたが、MNPで端末一括ゼロ円購入+キャッシュバックで何台も転がしているような業者は一掃されるでしょう。 
 これらを踏まえて思うのは、AppleがiPhone5Cを出したことや、iPadのSIMフリー版の販売開始、Googleが開発中のAraなどはまさにこれから全体の流れの中にあるなということです。各レイヤー間で健全な競争が行われることを望みます。

※7月17日 ドワンゴ取締役の夏野剛さんがこの記事で言っていることに近い内容を分かりやすく解説している動画を東洋経済オンラインのサイトで見つけたので下に貼っておきます。スマホからは見られないかも。

Share This To :
 
Toggle Footer
Top