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TPPについて

日曜日, 10月 30, 2011
最近、また世間を賑わせているTPPについての雑感を書いてみる。

TPPとは環太平洋経済連携協定-Trans-Pacific Partnershipの略でWikipediaから引用すると、
「加盟国の間で工業品、農業品を含む全品目の関税を撤廃し、政府調達(国や自治体による公共事業や物品・サービスの購入など)、知的財産権、労働規制、金融、医療サービスなどにおけるすべての非関税障壁を撤廃し自由化する協定
」とある。

まず最初に私自身はTPPは賛成である。条件を付けるならいくらでも付けられるが、取り敢えず。しかし、
世界情勢では保護や規制撤廃の方向性なのでごく自然な流れでもある。一方で、断固拒否するデモが行われていたり、ネット上でもTPP反対論者の中野剛志氏を筆頭になかなかの盛り上がりを見せている。JAはTPP反対の署名を1167万人分も集めて提出したようだ。。。

反対している人の中も分かれていて、いわゆる保守派と税金による既得権益層(税金)に二分されるだろう。反対派のデモを大々的に報じている所を見ると、デメリットは大きく見積もりメリットは目をつぶる人がいかに多いのかが分かる。

マスコミはテレビ局の外資規制、放送持株会社制度などガチガチに固めているので、TPPなんかに賛成出来る訳が無い。というような背景を知っているとマスコミ側の。報道に対する一定のバイアスと言うのが分かる。そういった世の中で、国民の大多数がもし、このままチャレンジしない(競争しない)ままの日本が良いと思っているのなら、昨日までのことを繰り返すことが得意な官僚主導で国が運営されているのも仕方ないと思ってしまう。その状態は私からすると茹でがえるなのだが。。

歴史的に見て正しいと言えることは、自由な競争を促し、より良いサービスや製品を提供することは、国が保護して守っている製作の中からは生まれて来ていないという事実である。
国が保護して税金を大量に投入して世界に進出していったサービスがあるのかどうか少しでも考えてみたら分かるはずである。もちろん一部の例外はあるにせよ。

反対する人達の大半は出来ることよりも、出来ない理由を並べるのが得意な人の発想と言えるだろう。
はたしてJAは日本の農家が発展を遂げていくプランを持っているのだろうか。食料安全保障とか大げさに言ってるけど、農業の技術革新は目覚ましく、長期的にはBRICsも人口減に転じるし、最終的にはアフリカすらもそうなっていく。その時に農業というのは遅かれ早かれ今よりもシュリンクしていく。絶対的な食物の量が減っていくのは間違いない。それがいつ来るのかという問題である。

ただし中長期的には付加価値のある畜産物などは、まだまだ伸びしろはある。その辺はオランダの農業の成功事例などを見れば分かる。米も品種改良を重ねた高品質なものは今後も売れるだろうし、実際、品種改良には時間がかかるのですぐに真似出来ず世界にジャポニカ米として売るようブランディングすることもできるはずだ。

そういった攻めの姿勢の場合、日本は現在、円高なので海外資産、土地を安く買い叩くこともできるんだけどな。。。このように海外に成功のチャンスを求め積極的に出て行く農業のベンチャーみたいなのがどんどん出てくるべきなんだけど出てこない。

それは何故か?…規制と税金で手厚く保護されているからである。

挑戦して失敗するリスクよりも700%の関税をかけて輸入規制し税金で保護してもらった方が楽だからだ。そういったことに目線を逸らすように世界的に見たら食料自給率など日本ぐらいしかしていないカロリーベースで割り出して、報道し国民の危機感を煽る。

食料自給率は国際協調の状態を維持するのが一番重要な戦略であると私は考える。TPPにより移民の増加で治安を悪くさせる可能性はゼロとはいえない。ただ、その問題はTPPとは分けるべき問題だと思う。なぜなら移民の受け入れは高齢化や人口減に転じた日本で、労働人口の確保には結局必要になるからだ。雇用問題についてもっというと、今後日本はもっともっと高齢者にも働いてもらう必要が出てくる。定年など必要ない。そして、その労働価値に見合った適正賃金、つまり最低賃金制度の撤廃と解雇規制の撤廃が必要になる。少しだけ働いて少しだけ給与をもらうという働き方が当たり前になるのだ。


そうする以外に増え続ける社会保障費はカバー出来ない。そして国家は回らない状態になり財政破綻する。正社員を解雇できない今の状態では企業はコストカットの選択肢が限られているため、法人税率の低い海外に出て行くしかない。
外国人に職を奪われる」などと危惧している人達は、普段の自分の仕事に対する姿勢自体を見つめ直した方が良いのではないだろうか。そういう人達はどの道自然淘汰ので考え方を変えて欲しい。

もし、あなたが企業の社長だとしたら、"外国人か、日本人"どちらを選ぶかという問題があり同賃金で同能力ならコミニュケーションコストの低い日本人を選ぶだろうと思う。しかし、海外から来た勤勉な若者がいて日本人よりも10倍も安く雇えたらどうする?それでも不安からか、日本人を雇う人もいるだろうが、単純労働などは外国人労働者を5人雇って教育し効率化し人件費を50%カットする事が出来るのでそちらに分がある。だから単純労働の腕を海外労働者と競っても仕方がないのである。


最終的には機械に置き換わっていく。知的生産(サービス)方面にシフトしていくしか日本の経済発展はないのだ。こういう自由化の流れというのは今後も続く重要なことなので長くなったが、メリット側にも目を向けて欲しいと思う。


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