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公共事業という幻想

金曜日, 12月 14, 2012
2012年もあと2週間程度。
衆議院総選挙まではあと2日と迫る中、与党になる可能性の高い自民党が主張する公共事業が日本を復活させるというような話が最近にぎやかである。

  • まず公共事業には2つの側面がある。 

それは道路や鉄道、水道、311以降では減災対策などインフラの整備をする側面と、それによる雇用効果による雇用対策という側面である。
インフラに関しては必要なものもありここでは話を置いておく。
ここで注目したいのは雇用対策側である。
雇用が生まれたら需要が生まれるから供給が追いつき更に...というような話だ。
しかし財源が税金もしくは政府の負債(借金)であることをオブラートに隠し、メリットばかりを強調し過ぎではなかろうか。
 「乗数効果だ!」とか国土強靭化論を唱え自民党は10年間で200兆円、公明党は10年間で100兆円の公共投資を行なうと主張する。
しかし自民党が積極的に進めてきた、そのような公共事業などのバラマキで1000兆円を超える負債を作っているのに、それを国民は民主党に政権交代してから3年足らずで忘れるのであろうか。
公共事業はインフラが整備されてない発展途上国や先進国でも短期需要には有効だが、今の日本では効果が薄いし、既に大量に作ってきたインフラを維持メンテナンスする費用だけでも多額の税金が必要になる。

  • 金を積めば問題が解決!? 

先日あったトンネルの天井板崩落事故だってメンテナンスよりも新規工事を優先してきたことが否めない。
 つまり金を積めば安全になるという保証はないのである。
復興予算が流用されていることでも明らかだが、税金を何に使うのかが重要であり、最初から200兆円とか額面だけ決めて経済政策(インフレ圧力)など言っているが、それは本質的な解決にはならないし全くではないが大して意味がないのである。
それは行程表を作らずに10年後に脱原発と主張するのも同じようなものだ。
話を戻すが、国全体では人口が減る一方、都市部では人口が増えている。
その為、一票の格差などの問題は広がる訳だがこれは違憲状態であり、これから公共投資をするなら都市部である。
人口が少ない所のインフラに投資をしてもこれからも人口は減り続け、限界集落なんかは増え続けるだろうし、投資が回収されることはない。 付加価値を生まないのである。

  • 政治側の役割

だからもう少し人口を密集させて効率化してそこのインフラ整備をしていくことが、本来の政治側が示す道である。
そして慣れ親しんだ地方に留まりたい人達には負担をお願いするのが政治家の役目である。

既に世界は都市間競争の時代に入っている。
全ての地方に満遍なく投資をするような余裕はもう今の日本にはないはずだ。


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