0 コメント

ネット選挙解禁と違和感

金曜日, 7月 19, 2013
ネット選挙初の選挙まであと2日と迫っているが、それに対して今感じる違和感を書き残しておきたい。

はじめに、現在TwitterやFacebookなどのSNSで盛り上がっているのは、東京選挙区のことである。テレビは見ないので分からないのだけど、どうなのだろうか。私は、北九州に住んでいるので東京選挙区は直接投票する訳ではない。しかし、情報が溢れて拡散しまくっているのは東京選挙区の情報である。

ネット選挙解禁で、まず感じたことはネットの中の情報の非対称性である。
北九州のことを東京に住んでいる人は気にすることもない。他方で、地方に住んでいる人は東京の選挙区の情報ばかりネットで目にすることになる。これは、水村美苗が著書『日本語が亡びるとき」で指摘した「英語と日本語の非対称性」と同じく数(量)の問題である。圧倒的な量の前に小さなものは見えなくなってしまう。もちろんURLとして存在はしているのだけど。


ネット選挙解禁であらゆるソースがオープンになることで、いきなり皆に本当に知りたかった情報が行き渡ると考えられていたのは幻想だったといって良い。そして、あらゆる情報にノイズが入りやすくなっている。


しかし、私はネット選挙自体を否定している訳ではないので誤解なきよう。これに関してはメディアの更なる進化や在り方を変える動きが既に始まっているし、やっと歩きはじめたばかりなのである。

次に、ネット上で盛り上がっているのは東京選挙区の山本太郎の話である。
東京選挙区では5議席目を元文部副大臣の鈴木寛と山本太郎がデットヒートしているとのことで、鈴木寛に関しては熟議とか教育とか政治家の中では割りと知っているので、山本太郎の演説の動画をYoutubeで見てみた。見たのは真面目版と、気の抜けた感じのくだけた動画の2つだ。
何日か前に見た山本太郎の政見放送は原発の危険を訴えるばかりで、正直馬鹿にしていた。中核派から支援されていることも更にその気持ちを強めていた山本太郎は東日本大震災の時に文部副大臣だった鈴木寛へのネガティブキャンペーンをしていることが分かる。


しかし、鈴木寛への楽天の三木谷社長やその他豪華な応援陣に比べ、山本太郎側は、子供を持つ主婦や、おっさん、中核派と地味な感じがする。いや中核派はさすがに地味ではないのか?
このような盛り上がりがなかったら中核派について、私もちゃんと調べることもなかったので普段は地味なんだと勝手に決めつけておく。気になる人は「前進 中核」とかで検索すれば分かるはずである。

閑話休題。

そして、山本太郎が勝ってしまいそうな勢いになってきている。少なくとも当選圏内にはいる。
これを受けて、池田信夫や成毛眞なども急遽山本太郎は中核派などの記事を自身のブログやFacebookに投稿しているが、それについて思うのは、市民を小馬鹿にしている感じがするのだ。
「君たち、中核派の支援する山本太郎に入れるなんて馬鹿の証拠だぞ!」的な感じだ。
こういう感覚を対立候補である政治家も持っているような気がするのが気のせいだと良いのだけど。
でも仮にそれだと、投票率を上げるしか自分の得票数は伸びない。「分かる人には分かる。分からない奴は馬鹿。」という話では馬鹿にされた側は結束を強めるだけだからだ。

特定の人達の意見は為になるし、拝聴する価値もあると思うが、鈴木寛が勝てば、「ネット選挙万歳で市民は優秀」、山本太郎が勝てば、「ネット選挙はダメ、それらに騙される市民も馬鹿」という構図を作り上げているのだとしたら、それは非常に狭い偏った考え方であると思うのだ。


「自分だけは本当のことを知っている。」的な独りよがりの考え方は捨て去った方が良い。
私は政策的には鈴木寛を支持するけど、それとは関係なく動画を見ている限りでは、山本太郎は衆議院選でも7万票を獲得しており、今回も良い線をいくだろうと思うのだ。中核派がどうだとかは本質を突いていない気がする。その結果が仮に失敗だったとしたら、そこから学んでいくしかないのだろう。
決して、一人の無所属の国会議員が生まれることで日本が終わったりすることはない。だから、安心して自分の気に入った候補に投票すれば良い。
Share This To :
 
Toggle Footer
Top