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人とモノ、フローとストック

金曜日, 1月 31, 2014

人とモノ


先日、STAP細胞という酸などで与えた細胞ストレスが高効率で多能性細胞になるという発見がニュースを飾りました。
ぼくはニュースを見てまず「STAP細胞って何だ。ESやiPS細胞と具体的にどう違うんだろう。」という問いが頭の中に浮かびました。
今回のエントリーで取り上げたいのは人に焦点が当たり過ぎだったマスメディアのバランスの悪さです。しかし、人(研究者)とモノ(研究物)に興味があることは別に健全で否定するようなことではありません。
まずは、モノ自体に興味がある人が当たるべきは一次情報です。そして分からないところやSTAP細胞がなぜ凄いのかを噛み砕くように解説してくれる記事を探します。
でも当初はありませんでした。そんな中ぼくが熱心に見ていたのはTwitterです。
日本のマスメディアから出ていた記事の多くは研究の内容と関係の無い人に恣意的な焦点に当てたワイドショー的記事ばかりでした。これはそういった記事を書くには科学的な知識が必要で、そういった記者が少ないしコストを掛けても注目されないから「割烹着やリケジョ、デート中も研究のことを考えていたなどのことを書いた方が注目を浴びるだろう。」というデスクの判断で偏った記事になったのかもしれません。ただこのバランス感の悪さには辟易としてしまいました。
しかし、しばらく経った後に日経から

『生命科学「型破り」の一歩 新万能細胞、先入観ない若手が成果 理研、実績より独創性重視』 
という記事が出たのは良かったと思います。

フローとストック

メイロマこと谷本真由美さんのこの記事を読みました。
『一晩中泣き明かした30歳若手女性研究者と書く我が国にはゴシップ新聞しかないらしい』

この記事ではSTAP細胞について取り上げた世界の新聞のWeb記事と日本のマスメディアのWeb記事の比較がされています。
これを見ても思うのですが日本にはストック型のメディアがバランス的に少ないということです。アテンション(フロー)を集める記事を出すのももちろん重要ですがそこに偏重するとその本質からはまったく離れてしまって気付かないうちに忘れてしまう。そしてまた違う新しいネタを投入というサイクルでサスティナビリティがなく、言い換えると「ストック」されることがないので、スポーツや音楽などとはそもそも科学の土壌が違う日本では、対象者の人となりを知って理系を目指す女子が増えるとか生物学に注目が集まったりは長期的にはしないのです。
「日本では」と強調して書きましたが、なぜそうなっているのか、メディアの可能性やそもそもSTAP細胞についてぼくはどう調べ思ったのかなど色々ありますがそれらは次の機会に書いてみたいと思います。
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