先日、Yahooが個人別にカスタマイズされたニュースを配信するアルゴリズムをメディア系サービスに提供することを発表したことを踏まえてこれからのメディア系サービスをあれこれ考えてみたい。
「Yahoo!ニュース」、新ソリューション「Yahoo!コンテンツディスカバリー」を発表
「Yahoo!コンテンツディスカバリー」は、メディア企業をシームレスにつなぎ、ユーザーの興味関心、ソーシャルメディアでの話題性、閲覧している時間帯、デバイスなど、さまざまな要素を組み合わせた独自のアルゴリズムを用いて、ユーザーごとに最適なニュース記事をレコメンドするソリューションです。これは業務提携したタブーラのアルゴリズムを使ってニュース系サービスに記事提供をするということだけど、これがGunosyのアルゴリズムと、どう違うのかがまず気になる。というか似てたら誰しもGunosyのようなサービスが簡単に作れるということなのかもしれない。しかもマネタイズも出来そうな感じのソリューションになりそうで面白そうだ。現在、地味に戦っているリクルートのNewsHubなんかが既に狙っていたりして。
で、やっぱりその次は記事自体の要約のアルゴリズムがやって来るだろう。それは可処分時間をあらゆるコンテンツで奪い合う現代には、スマホでサクッと800文字以下程度で要約された記事を読むようになるのが自然だと思うからだ。恐らくGunosyも要約のアルゴリズムを開発出来次第で出してくるロードマップではないだろうか。要約機能自体は今もVingowやLINE Newsの「ざっくり言うと」などもあるけど、Vingowのアルゴリズムは要約の意味がイマイチ分からない時があるし、UIが勝手が悪い。反対にLINE Newsは元々のLivedoorNewsの編集部があるので人海戦術もあり、要約を実現しているらしい。
さて、このYahoo!の動きは、未だにヤフトピの影響力は健在だけど、その他のPCからスマホのシフトが急激に進み新しい時代のニュースサービスが台頭してくるにあたって、Yahoo!も爆速で価値提供しようといったところなんだと思う。というか最近UIも良くなってる自社製Yahoo Newsアプリに載せてくるのが鉄板な気がする。現在17歳の天才ニック・ダロイシオ君が作ったニュース要約サービスSummlyを買収した米Yahoo!のYahoo News Digestのような感じになると嬉しい。Summlyは資金提供を受けたあたりからデザインも秀逸であれの日本版が欲しかったところだった矢先の米Yahoo!による買収だったので日本でも実現して欲しいものだ。
欧米ではニュースをまとめるサービスではFlipboardが強いらしく、Flipboardは記事のパーソナライズ系サービスのZITEを買収して個人に最適化された方向にも力を入れている。海外ではあまりニュースをまとめたサービスやアプリは日本ほど普及していないようで、イギリスから始まってどんどん攻めてるGunosyの海外展開が気になる所。
しかし、今個人的にイチオシのNews Picksでは人の解説や視点の違うコメントが記事と渾然一体となっている。このコメント達はいちいち参考になって興味深いので、Gunosyで配信された記事もNews Picksでコメント読みたいと思って記事をわざわざNewsPicksで探してしまう始末である。そういう風に考えるとまだまだ王者不在のなかでニュース系サービスの競争は激しくなっていきそうである。最近、ローラ出演のCMで話題のAntennaはどちらかというと、上記の分野ではなくスマホ時代の雑誌という体なのでECに分野を進めている。
最後に記事で出てきたニュースアプリを使用頻度の高い順に一言コメント付きでまとめておく。
NewsPicks ... 大体TOP20を記事を読んでコメントまで目を通す。１記事あたりの滞在時間が長い。独自記事も始めるらしいので有料課金ユーザーになる日も近いかも！？
Gunosy ... 大体レコメンド記事のみ読むことが多い。そして、目に止まった記事をNewsPicksで探す（笑）
LINE NEWS ... 全体をパラパラと。ざっくり読むでスイスイ読める。
Antenna ... パラパラとスクロールして目に止まった記事を2から3つほど読む。
NewsHub ... 写真を効果的に使ったサービス。このアプリではテック系ニュースのみ読む。
Vingow ... 気になった企業とかサービスをキーワードで検索する。
Smart News ... 最初の読み込みが遅いのであまり使わず。同社のサービスのCrowsnestの機能を入れて欲しい。