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それでも不自由な新製品エリアフリー

金曜日, 1月 25, 2013

ソフトバンクBBから新発売されたエリアフリー録画対応デジタルTVチューナー SB-TV04-WRIPについて触れておこう。始めに言っておくと本製品はベストワンではない。しかし、悪いのはソフトバンクではない。日本の行政やテレビ業界の既得権であるというのが実は今回のテーマ。

とりあえず本製品の特徴を簡単に説明すると、地デジチューナーとWi-Fiルーターがセットになっているもので、室内(LAN環境)であればワイアレスでスマホやiPadなどのタブレットで地デジ、BS、CSが視聴出来るというもの。それだけならば既に他の製品もある訳だがこの製品の新しいところは外出先の無線LAN環境で視聴出来る点とUSBの外付けHDDの増設すれば録画も出来てそれを配信できるところである。タイトルにあるようにそれでも理不尽な作りになっているのは3GやLTEなどの回線では視聴できないところ。これは非常に惜しい。しかし、なぜそういう仕様なのかというとまねきTVというサービスに対してテレビ局が起こした訴訟での最高裁の判例に由来する。
池田信夫さんの記事スマートTVは日本では生まれないから引用すると、
情報を受信者からの求めに応じ自動的に送信する機能を有する装置は、これがあらかじめ設定された単一の機器宛てに送信する機能しか有しない場合であっても、当該装置を用いて行われる送信が自動公衆送信であるといえるときは、自動公衆送信装置に当たるというべきである。
という判断をその時の田原睦夫裁判長が示しているからだ。この判断の内容のように捉え方によって恣意的な運用が出来るので憶測を元に製品開発しないといけない。これまでの似た製品VULKANOFLOWSLINGBOXではチューナーと合体させないことで上手いことやってる訳だが、若年層ではレコーダーやチューナーを持っていない人も多いしなかなか普及は進んでいない。それでこの判例を遵守し規制通り(公共放送を自動公衆回線に繋ぐのがダメなので無線LANという縛りになっている。)に作るとこのエリアフリーのような製品になってしまうのだ。日本の場合、規制によって大半がベストではなくベターな製品が生まれてしまう。海外や地方に旅行にいった時などに無線LAN環境があれば自宅で映っている放送や録画しておいた番組が楽しめるのが売りだが、3GやLTEなどのモバイル回線でも見ることが出来ればワンセグが入っているかどうかでスマホの機種を選択する必要もなくなるし、「ちょい見ニーズ」にも応えられるはずである。どこでもいつでも視聴でき、しかも簡単というのがベストワンの条件なのだが。。似たような構造のSONYのNasneとかもっとトンガって欲しい。

そもそも海外のようにIP再送信を禁止しなければ放送と通信の融合と言われるようにネットでテレビ番組が見られるようにするサービスも出来るのでこんな製品すら要らないのだが。ただそこまで言い出すと現状の日本では意味を成さないので、現状ではベターなこの製品を使ってみるのも良いのではないだろうか。

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